皆さん、お待たせしました!
「漫薦」の第5弾です!
プロ漫画家の視点から、面白くて薦めたいと思われる作品や影響を受けた作品を紹介する「漫薦」ですが、
今回は『蒼き炎』『がばい -佐賀のがばいばあちゃん-』などの作品を描かれた石川サブロウ先生のオススメ漫画をうかがってきました!
シュウ1:
本日はお忙しいところ、インタビューをさせていただきましてありがとうございます。
早速ですが、石川先生のオススメ作品を教えてください!
石川先生:
つげ義春先生の『紅い花』とちばてつや先生の『風のように』です。
シュウ1:
おー!前回村上もとか先生も『紅い花』を薦めらてました。
やはり一つの時代に大きな影響を与えた作品ですね。
どんなところがお気に入りですか。
”『紅い花』
つげ義春が『ガロ』1967年に掲載した短編漫画。
ストーリーは、釣り人である主人公の男性と、山中の小さな売店で店番をしているキクチサヨコとの出会いから始まる。
キクチサヨコは、良い釣り場を訪ねる主人公に、同級生のシンデンのマサジを紹介する。
作中では、どこの地方のものとも明示されていない方言が用いられている。”(ウィキペディアより)
石川先生:
つげ義春先生のこの漫画の好きなところは世界観です。
作者本人もおっしゃっていましたが、自分の夢で見たものとか情景を漫画にするそうです。
普通の少年漫画じゃなくて、こう言う漫画もあるってことを知って、私もこう言う漫画を描きたいと思った最初のきっかけです。
風景の描写とか雰囲気も当時としては斬新でした。
(『紅い花』より)
シュウ1:
始めて読まれたのはいつ頃でしょうか。
石川先生:
初めてつげ義春先生の作品を読んだのは中学生の頃です。
でもちゃんと理解できたのは高校生の頃だったんです。
その時の感じ方と今の感じ方は違うかもしれないですが、その時、憧れていた世界観がつげ義春先生の作品にあったんです。
こう言う世界観を漫画にしたのはつげ義春先生が最初の存在ですから、今の読者にもつげ先生の作品を読んでいただければと思うんです。
シュウ1:
ありがとうございます。
ちばてつや先生の『風のように』の方もお聞きしたいですが、つげ義春先生の文学風作品と近いですか。
”『風のように』
ちばてつや氏により、1969年25号の「週刊少女フレンド」に掲載された読み切り短編作である。
養蜂家の少年「三平」と、旅先で出会った少女「チヨ」の心のつながりを描いた物語。
2016年にアニメ映画化された。(制作 株式会社エクラアニマル)”
石川先生:
ちばてつや先生の『風のように』は少し児童文学っぽい作品です。
私は小学生の頃に児童文学をたくさん読んでたんです。
話は単純ながら人間の温かみを感じれるものが好きでした。
これを漫画にできないものかと考えてる時、「風のように」に出会いました。
「こう言う漫画もあるんだ。」「描けるんだ!」って思ったんです。
この時、こう言う漫画を描くために漫画家を目指そうと思いました。
シュウ1:
なるほど、子供の頃からこう言う漫画がお好きで、影響を受けていらっしゃるんですね。
確かに、石川先生の作品は骨太な中にも暖かみのある作風で多くの読者に愛されています。
石川先生:
漫画を描く人はね、何を描いても結局自分になちゃうから、どんどん描けるものと描けないものが分かってくるんですよ。
最初は皆大体何でも描けると思っていても、いざ描いてみたら、「やはりこっちの方が下手だなあ」って分かります(笑)
シュウ1:
でも最初から描きたいものをちゃんとうまく描けるのも、すごいことですよね。
二作のオススメありがとうございました!
皆さんも石川先生お薦めの『紅い花』と『風のように』を是非読んでみてください!
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石川サブロウ先生のプロフィール